羽を投げているつもりだった
ある夜、
森の中を歩いていると、
一本の大きな木がありました。
その木には、
たくさんの鳥たちが集まっていました。
楽しそうに話し、
笑い声も聞こえます。
その中に、
一匹の陽気な鳥がいました。
明るくて、
よく喋り、
場を盛り上げるのが得意でした。
本人も、
みんなを楽しませているつもりでした。
「その羽、変な色だね(笑)」
「相変わらず飛ぶの遅いな(笑)」
「そんなことも知らないの?」
鳥は笑いながら言います。
周りも笑います。
言われた相手も笑います。
だから鳥は思いました。
「みんな喜んでいるんだな」
と。
けれど、
季節が変わる頃。
一羽、また一羽と、
その木から姿を消していきました。
鳥は不思議でした。
「なんでだろう?」
「僕、何か悪いことしたかな?」
ある日、
古いフクロウに尋ねました。
「みんな急に来なくなったんだ。」
「理由が分からないんだ。」
するとフクロウは言いました。
「お前は石を投げているつもりがない。」
鳥は首をかしげました。
「石なんて投げてないよ。」
フクロウは静かに答えました。
「そうだろうな。」
「お前は羽を投げているつもりだからな。」
風が吹きました。
鳥は意味が分からず、
黙ってフクロウを見つめます。
フクロウは続けました。
「冗談のつもり。」
「励ましのつもり。」
「親しさのつもり。」
「だから、自分が誰かを傷つけているとは思わない。」
しばらく沈黙が流れました。
やがてフクロウは、
落ちていた一枚の羽を拾い上げます。
「だがな。」
「不思議なことに。」
「飛んでいった羽が、誰かの胸に届く頃には、石になっていることがある。」
鳥は何も言えませんでした。
「そんなつもりじゃなかった。」
「悪気はなかった。」
「本音を言っただけだった。」
フクロウは静かに首を振ります。
「それは全部、お前の話だ。」
「傷ついたかどうかは、相手の話だ。」
風がまた吹きました。
枝が揺れ、
夜空の星が瞬きます。
人は時々、
悪意よりも善意で人を傷つけます。
正そうとして。
励まそうとして。
仲良くなろうとして。
距離を縮めようとして。
だから難しい。
悪人なら気づけるからです。
でも、
自分を良い人だと思っている時ほど、
人は自分の言葉を疑わなくなる。
鳥は、
これまで去っていった仲間たちの顔を思い出していました。
笑っていた顔。
うなずいていた顔。
何も言わなかった顔。
そして、
ふと気づきました。
もしかすると、
あの笑顔は、
喜んでいたのではなく、
我慢していたのかもしれない。
夜空には、
無数の星が浮かんでいました。
けれど、
消えていった鳥たちの姿はありません。
失った縁というのは、
切れた瞬間より、
「なぜ切れたのか分からない時」に、
初めて重さを知るのかもしれません。



深いね。
言葉は放たれた瞬間、コントロールを失うからね。だからと言って、言葉を放つのに消極的になってはいけない。
大事なのは、放つだけでなく、受け入れること。
自分が正義と思わないこと、悪とも思わないこと。戦争ら争いは正義と正義のぶつかり合いだから。
理解ができませんでした🐢