満足とは?
満足を探していた。
どこか遠くにあると思っていた。
成功した人だけが持っている秘密のアイテムだと思っていた。
だから僕は探した。
コンビニの新商品売り場を見た。
銀行口座の残高を見た。
通知欄を見た。
フォロワー数を見た。
評価を見た。
他人の人生まで見た。
でも、
どこにも売っていなかった。
おかしい。
みんな満足そうに見えるのに。
どこで買ったんだろう。
Amazonか?
楽天か?
それとも人生会員限定の裏ショップか?
そう思っていた。
でもある日、
気づいてしまった。
どうやら満足には足が生えているらしい。
追いかけると逃げる。
逃げると気になる。
気になると追いかける。
まるで人生の鬼ごっこである。
そして困ったことに、
人間は走るのが好きだ。
欲しいものができる。
頑張る。
手に入る。
喜ぶ。
そして次が欲しくなる。
まるで骨を追いかける犬が、
骨を手に入れた瞬間、
もっと大きな骨を探し始めるようなものだ。
謎なのは、
「満足」という漢字。
足が満ちると書く。
なのに人間は、
満ちた足でさらに走ろうとする。
お腹いっぱいなのに、
デザートメニューを開く。
目的地に着いたのに、
次の目的地を検索する。
夢を叶えたのに、
次の夢が気になり始める。
足は満ちている。
でも、
心だけが常に次の駅を探している。
昨日の僕もそうだった。
「あれが欲しい」
「これも欲しい」
「次はあれだ」
と欲望のエレベーターに乗った。
ところがそのエレベーター、
上へ上へ進むくせに、
到着階のボタンがない。
10階に着けば20階が現れる。
20階に着けば50階が現れる。
50階に着けば100階が現れる。
ずっと上昇中。
永久運転。
景色は変わる。
眺めも良くなる。
でも、
目的地だけは現れない。
まるで人参を追いかけるロバである。
いや、
もっと厄介かもしれない。
ロバは人参が見えている。
僕たちは、
何を追いかけているのかさえ途中で分からなくなる。
お金が欲しかったはずなのに、
気づけば数字が欲しくなっている。
自由が欲しかったはずなのに、
気づけば評価が欲しくなっている。
幸せになりたかったはずなのに、
気づけば誰かに勝ちたくなっている。
目的が、
手段に食べられていく。
だから満足は、
何かを増やした先にいるんじゃない。
「足りない」を減らした先にいる。
これがなかなか難しい。
なぜなら世の中は、
「もっと」を売るのが得意だからだ。
もっと便利に。
もっと早く。
もっと大きく。
もっと稼いで。
もっと有名になって。
もっと。
もっと。
もっと。
気づけば人生が、
「もっと牧場」になっている🐄
草は山ほどあるのに、
隣の草の方が美味しそうに見える。
だから食べても食べても、
なぜか空腹感だけ残る。
そんな時、
ふと思った。
満足を探していたけれど、
もしかしたら満足は探し物じゃない。
落とし物なんじゃないかと。
確かに受け取っていた。
ちゃんと持っていた。
でも…
欲しいものを抱えすぎて、
どこかで落としてしまった。
それだけなんじゃないかと。
財布の奥でくしゃくしゃになったレシートみたいに。
買った瞬間は大事だったのに、
次の買い物に夢中になって忘れてしまったみたいに。
今日食べたご飯。
誰かとの会話。
笑った瞬間。
無事に終わった一日。
好きな人の存在。
帰る場所があること。
そんな当たり前の購入履歴の中に、
満足はしれっと印字されている。
しかも、
すごく小さい字で。
だから見落とす。
僕たちは未来の高級商品ばかり見て、
今すでに受け取っている商品を確認しない。
まだ会計も終わっていない未来の商品を、
次々とカゴへ入れる。
そしてレジへ向かう途中で、
「なんか足りないな」と言う。
いや、
カゴいっぱいやないかい🐽🐽🐽
そんなツッコミを、
人生はたまに入れたくなる。
満足とは、
人生に「もっと」を足すことではない。
人生から「まだ足りない」を引くこと。
満足とは、
遠くへ行くことではない。
今いる場所を見つけること。
満足とは、
夢を諦めることではない。
夢へ向かいながら、
途中の景色にもちゃんと手を振ること。
そして満足とは、
ゴールでしか手に入らないトロフィーではなく、
実はスタートした瞬間から
ずっとポケットに入っていた参加賞なのかもしれない。
ただ僕たちは、
その存在を忘れる天才なだけである。
つまり満足とは、
足し算ではなく、
“足”の算数だったのである🐽✨
よかったら他の作品も読んでみてブー🐽



チートンさん!
足りないを探して、もっともっとって探しちゃうます😭
ポケットの参加賞を時々見つめ直します(*´꒳`*)💕
手に入れた事実に喜びを感じても
満足感を振り返って満ち足りることはないのかもしれません
どれだけ食べて、胃もたれして、
それでも、次の日どころか数時間でお腹が減ってしまう
だから、足で満たされに行く
発想のしかた飛ばし方自体がすごいなーということしかいえない、、、